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インテリアデザイナーの仕事に興味はあるけれど、毎日何をしているのかは想像しにくい。そう感じている方も多いはずです。
結論から言うと、インテリアデザイナーの仕事内容は「話を聞く・測る・描く・選ぶ・調整する・現場で確かめる」の繰り返しです。
この記事では、1つの案件を最初から最後まで追いかけながら、各段階で何を作るのかを紹介します。
インテリアデザイナーの仕事とは、ひと言でいうと?
インテリアデザイナーの仕事は、依頼主の「こうしたい」を、図面とパースで工事できる形にすることです。デザインを考える時間と同じくらい、調整や確認の時間があります。
『きれいな部屋のアイデアを出すのが仕事でしょ?』と思いますよね。アイデアはもちろん大事ですが、それを工事できる図面にするまでが仕事なんです。
インテリアデザイナーが手がけるのは、住宅・オフィス・ホテル・旅館・店舗などの室内空間です。鉄道車両や船舶の内装に関わる人もいます。
家具や照明などの製品そのものをデザインする人もいますが、この記事では空間のデザインを中心に見ていきます。
仕事は大きく3つの段階に分かれる
インテリアデザイナーの仕事内容は、ざっくり言うと次の3つの段階に分かれます。
| 段階 | やること | 主な相手 |
|---|---|---|
| 企画 | 希望を聞き、どんな空間にするか方向を決める | 依頼主 |
| 設計 | 図面・パース・仕上げ表などで具体的な形にする | 依頼主・社内のチーム |
| 監理 | 工事が図面どおりか確かめ、現場の調整をする | 施工会社・職人さん |
どの段階でも、人とのやりとりがついて回ります。一人で黙々と絵を描く時間ばかりではないんですね。
インテリアデザイナーという職業そのものの全体像は、インテリアデザイナーとは?で紹介しています。
依頼から完成まで、小さなカフェの内装で追ってみる
ここでは、小さなカフェの内装を任された場面を例に、ヒアリングから現場監理までの8段階を追ってみます。
『実際の流れを、最初から最後まで知りたい』という方のために、1つの案件を通して見ていきますね。
1. ヒアリング
最初は、オーナーの話をじっくり聞くところから始まります。どんなお店にしたいか、客席はいくつほしいか、どんなお客さんに来てほしいかを確かめます。
「落ち着いて長居できる雰囲気にしたいんです」「でも回転もほしくて」のように、希望どうしがぶつかることもよくあります。
ここで大事なのは、言葉の奥にある本当の希望を聞き出すことです。好きなお店の写真を見せてもらうと、イメージがそろいやすくなります。
2. 現地調査
次に、実際の物件へ行って寸法を測ります。窓や柱の位置、天井の高さ、配管や電気の位置などを確かめます。
図面が手元にあっても、現地で測ると違っていることがあります。ここで見落とすと、後から大きな手戻りになるんです。
3. ゾーニング
ゾーニングとは、空間を使い方ごとに大まかに分けることです。客席・厨房・レジ・トイレ・通路などを、どこに置くか決めていきます。
お客さんが入口からレジ、席へとどう動くか。
スタッフが厨房から客席へ料理を運ぶ道は短いか。人の動きを考えながら配置します。
- お客さんが入口から席まで迷わず進めるか
- スタッフの通る道と、お客さんの通る道がぶつからないか
- 窓からの光が、客席のどこに入るか
- 厨房の換気や排水の位置に無理がないか
4. 基本設計
ゾーニングをもとに、平面図やパース(完成予想図)を作り、全体のデザインをまとめます。オーナーに見せて、方向性を確かめる段階です。
「思っていたより暗いかも」「カウンターをもう少し長くしたい」といった声を受けて、何度か案を直していきます。
5. 実施設計
方向が決まったら、工事に使える細かい図面を作ります。展開図(壁の正面図)、天井伏図、照明の配置図、家具の詳細図などです。
職人さんがこの図面を見て工事をするので、寸法や素材の指定に抜けがないようにします。地道ですが、とても大切な作業です。
6. 素材・家具・照明の選定
床や壁の素材、照明器具、椅子やテーブルなどを選びます。素材サンプルを取り寄せて、色や質感を実物で確かめることも多いです。
照明の色や明るさひとつで、同じ空間でも雰囲気ががらりと変わります。カフェなら、料理がおいしそうに見える光かどうかも大事なポイントです。
7. 見積もりの調整
施工会社から見積もりが出たら、予算と照らし合わせます。予算を超えていれば、素材を変える・造作を減らすなどの調整をします。
『理想を全部入れたら予算オーバー』は、どの現場でもよくあることなんです。どこにお金をかけ、どこを抑えるかをオーナーと一緒に決めます。
8. 現場監理と引き渡し
工事が始まったら、現場へ足を運んで図面どおりに進んでいるか確かめます。現場で「この配管があってここに棚が付けられない」といった問題が出れば、その場で解決策を考えます。
完成したら、仕上がりを確かめてオーナーに引き渡します。オープンの日にお客さんが入っている様子を見られるのは、この仕事ならではの喜びです!

各段階で作るものを一覧で見ると?
インテリアデザイナーの仕事は、段階ごとに作る資料が決まっています。何を作るかを知ると、必要なスキルも見えてきます。
『図面って、何種類もあるの?』と驚く方もいますよね。実は、1つの案件で作る資料はかなりの数になります。
| 段階 | 主に作るもの | どんな役割か |
|---|---|---|
| ヒアリング | 要望の聞き取りメモ・イメージ写真の資料 | 依頼主との認識をそろえる |
| 現地調査 | 実測図・現況写真 | 今ある空間の正確な状態を残す |
| ゾーニング | ゾーニング図・動線の図 | 使い方ごとの配置を決める |
| 基本設計 | 平面図・パース・コンセプトのボード | 完成のイメージを共有する |
| 実施設計 | 展開図・天井伏図・照明配置図・家具の詳細図 | 工事をするための指示を出す |
| 素材の選定 | 仕上げ表・素材サンプル・家具や照明のリスト | どこに何を使うかを決める |
| 見積もりの調整 | 仕様の変更リスト | 予算に合わせて内容を直す |
| 現場監理 | 打ち合わせの記録・変更の指示書 | 現場の判断を記録に残す |
図面やパースは、いまはCADや3Dソフトで作ることが多いです。使うソフトの種類や覚え方は、インテリアデザイナーが使うCADと3Dソフトで紹介しています。
段階ごとに求められる力
作るものが違えば、求められる力も変わります。段階と力の関係を表にしました。
| 段階 | 特に求められる力 | 練習のしかたの例 |
|---|---|---|
| ヒアリング | 相手の話を聞き、本当の希望をくみ取る力 | 家族や友人に理想の部屋を聞き、メモにまとめてみる |
| 現地調査 | 正確に測り、見落としなく記録する力 | 自分の部屋を測って、手書きで平面図にしてみる |
| ゾーニング・基本設計 | 人の動きを想像し、配置を考える力 | お気に入りのお店の配置を、思い出しながら描いてみる |
| 実施設計 | 寸法や納まりを細かく詰める力 | 家具の寸法を調べ、図面に正しく描き込んでみる |
| 素材の選定 | 素材・色・光の組み合わせを考える力 | ショールームで素材や照明の違いを見比べてみる |
| 見積もりの調整 | 優先順位をつけ、落としどころを探す力 | 予算を決めて、部屋の模様替えの計画を立ててみる |
| 現場監理 | その場で判断し、人に伝える力 | 図面を見せながら、自分の案を人に説明してみる |
こうして見ると、絵のうまさだけで決まる仕事ではないことが分かりますよね。聞く力や伝える力も、図面の力と同じくらい大切なんです。
学生のうちにできることもたくさんあります。例えば、自分の部屋を測って平面図にしてみるだけでも、立派な練習になりますよ。
1日の過ごし方の例
インテリアデザイナーの1日は、案件の段階によって大きく変わります。例えば、設計の段階と工事の段階が重なっている日は、こんな過ごし方になります。
- 朝はメールを確認し、今日の打ち合わせ資料を見直す
- 午前中は事務所で別案件の展開図を描く
- 昼すぎに工事中の現場へ行き、仕上がりを確かめる
- 夕方は依頼主と打ち合わせをして、素材サンプルを見せる
- 事務所に戻り、打ち合わせで出た修正を図面に反映する
デスクワークと外回りの両方があり、毎日同じ流れにはなりません。いろいろな動き方が好きな方には楽しい仕事です。
住宅・店舗・オフィスで仕事内容はどう変わる?
同じインテリアデザイナーの仕事でも、住宅は住む人、店舗はお客さんとお店、オフィスは働く人のための空間です。大事にすることも変わります。
『どの空間でも同じ考え方でいいの?』と気になりますよね。空間ごとに重視する点を比べてみました。
| 比べる点 | 住宅 | 店舗 | オフィス |
|---|---|---|---|
| 誰のための空間か | 住む家族 | お客さんとお店のスタッフ | 働く人と訪れる人 |
| 特に大事にすること | 暮らしやすさ・家事の動き・収納 | お店らしさ・売り場の見やすさ・回転 | 働きやすさ・会議と集中の場の分け方 |
| 打ち合わせの相手 | 住まい手の家族 | オーナーや運営の担当者 | 総務の担当者や経営者 |
| 工事の進め方 | 住みながら工事する場合もある | 開店日に合わせて短い期間で進めることが多い | 業務を止めないよう休日に工事することも |
住宅なら「朝の支度で家族がぶつからない洗面所」、店舗なら「入口から商品が見やすい棚の並び」のように、具体的な悩みが変わってきます。
住宅の場合は、暮らし方を聞くところから
住宅の仕事では、家族の朝から夜までの動きを聞くことが多いです。「朝は洗面所が混み合う」「帰ってきたら荷物をすぐ置きたい」のような、日々の小さな困りごとがヒントになります。
『おしゃれにしたい』という希望と、『片付けやすくしたい』という希望を両立させるのが、住宅ならではの腕の見せどころです。
店舗の場合は、お店の売り方から考える
店舗の仕事では、お店がどう売りたいかを先に聞きます。じっくり選んでもらうお店なのか、さっと買ってもらうお店なのかで、棚の高さも通路の幅も変わるからです。
例えば、雑貨店なら「入口から店の奥まで目線が通るように、手前の棚を低くする」といった工夫をします。開店日が決まっていることが多いので、工程の管理も大事になります。
ホテルや商業施設、車両の内装も
大きな案件では、ホテルや商業施設のように、建築家やほかのデザイナーと組んで進める仕事もあります。job tag では、鉄道車両・航空機・船舶の内装を手がけることもあると紹介されています。
扱う空間が大きくなるほど、チームの中で自分の担当範囲をこなす働き方になります。どんな空間を手がけたいかで、選ぶ職場も変わりますよ。
就職先の種類と、それぞれで扱う物件の違いはインテリアデザイナーの就職先で比べています。

インテリアデザイナードットコム
インテリアの学び方を比べたい方へ
インテリアデザイナーへの道は、専門学校・大学・社会人スクール・通信講座・独学とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校や講座の資料を取り寄せて、学べる範囲や課題の講評、就職の支え方を見比べるのが近道です。比べ方のチェックポイントをまとめました。
無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る教育訓練給付制度の対象講座かどうかは、各講座の案内と厚生労働省の検索システムで確認できます。
インテリアデザイナーの仕事で、意外と大変なところは?
完成した空間は華やかですが、そこに至るまでには地道な修正と調整があります。前もって知っておくと、ギャップに戸惑いにくくなります。
『もっとクリエイティブな仕事だと思っていた』という声は、実はよく聞きます。デザインを考える時間は、仕事全体のうちの一部なんです。
依頼主の気持ちが変われば、図面もパースも見積もりも直すことになります。締め切りが迫る中で何度も修正が入ることもあるので、粘り強さが求められます。
例えば、工事の直前に「やっぱり床の色をもう少し明るくしたい」と言われることもあります。そんな時は、素材の取り寄せが間に合うかも含めて考えます。
現場では「図面ではこうなっているけれど、実際には柱が出ていて納まらない」という場面も起こります。その場で職人さんと相談して、別の納め方を決めることもあります。
大変さを軽くする工夫
大変な場面があっても、工夫しだいで負担はかなり軽くなります。現場でよく使われる考え方をまとめました。
- 打ち合わせの内容は、その日のうちに記録して依頼主と共有する
- 変更が出たら、図面・パース・見積もりのどこに影響するかを先に確かめる
- 素材や家具は、取り寄せにかかる日数も見ながら早めに決める
- 現場では、迷った点を写真に撮ってチームで相談する
『言った、言わない』のすれ違いは、記録を残すだけでぐっと減ります。地味な工夫ですが、仕事を続けるうえで大きな助けになるんです。
仕事内容に向いている人のチェック
- 人の話を聞いて、相手の気持ちをくみ取るのが好き
- 細かい図面や寸法の作業に集中できる
- 予定が変わっても、気持ちを切り替えて対応できる
- 現場に出て、職人さんと話すのが苦にならない
- 新しい素材や照明を調べるのが楽しい
当てはまる数が少なくても、心配はいりません。経験を重ねると、少しずつ慣れていく部分も多いです。
インテリアデザイナーの大変さと、その乗り越え方はインテリアデザイナーは難しい?でくわしく紹介しています。
インテリアデザイナーの仕事についてよくある相談
仕事内容についての相談で特に多いのは、インテリアコーディネーターや内装設計との違いを知りたいという内容です。代表的な3つに答えます。
内装設計やインテリアコーディネーターとは、仕事内容が違う?
内装設計とインテリアコーディネーター、インテリアデザイナーの仕事内容の違いを知りたい、という相談です。
内装設計は、室内の工事のための図面を作る仕事を指すことが多い言葉です。インテリアデザイナーの仕事の中にも、内装設計は含まれます。
インテリアコーディネーターは、住まい手の希望に合わせて家具や照明、住宅設備などを選び、提案・助言する仕事です。空間を図面から作るより、選んで整える場面が多くなります。
実際の職場では呼び方がゆれていて、仕事が重なることもあります。
求人を見る時は、職種名より担当する業務を確かめてみてください。くわしい違いはインテリアコーディネーターとの違いで比べています。
1年目は、どんな仕事をするの?
高校生から、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターの1年目の仕事内容を知りたい、という相談もあります。
働く会社によって違いますが、1年目は先輩の補助から始まることが多いです。実測に同行する、図面の修正を手伝う、素材サンプルをそろえる、打ち合わせの記録を取る、といった仕事です。
job tag でも、アシスタントとして実務経験を積むことが大切だとされています。補助の仕事の中で、プロの判断の仕方を間近で学べるんです。
インテリアとWebデザイン、どちらに進むか迷っています
インテリアデザイナーとWebデザイナーなど、別のデザインの仕事と迷っている、という相談もあります。
大きな違いは、作ったものが実物の空間になるかどうかです。インテリアデザイナーは、現場へ行き、職人さんと一緒に形にしていく場面があります。
どちらも、相手の希望を聞いて形にするという点は共通しています。違うのは、形にする先が画面の中か、実際の空間かです。
迷った時は、両方の仕事内容を書き出して、自分がわくわくする場面に印をつけてみてください。「現場で完成を見たい」と思うなら、インテリアの道が合っているかもしれません。
よくある質問
インテリアデザイナーの仕事内容を簡単に教えてください。
依頼主の希望を聞き、現地を測り、図面やパースで空間を形にして、工事の現場で仕上がりを確かめる仕事です。素材や家具、照明を選ぶのも大事な仕事です。
インテリアデザイナーは一人で仕事をするのですか?
一人で図面を描く時間もありますが、依頼主・社内のチーム・施工会社・職人さんなど多くの人とやりとりしながら進めます。
インテリアデザイナーの仕事は、パソコンで図面を描くことが中心ですか?
図面やパースはCADや3Dソフトで作ることが多いですが、打ち合わせや現地調査、現場の確認など、外に出る仕事もたくさんあります。
インテリアデザイナーの仕事に、休日や出張はありますか?
働く会社や案件によって違います。店舗やオフィスの工事は営業していない時間に行うこともあるので、現場の確認がそれに合わせて入る場合があります。求人票や面接で働き方を確かめておくと安心です。
家具のデザインもインテリアデザイナーの仕事ですか?
家具・照明・カーテンなどの製品をデザインするインテリアデザイナーもいます。空間のデザインが中心か、製品が中心かは職場によって変わります。
まとめ
- インテリアデザイナーの仕事は、企画・設計・監理の3段階で進む
- 依頼から完成までは、ヒアリングから現場監理まで8つほどの段階がある
- 段階ごとに、実測図・平面図・パース・展開図・仕上げ表などを作る
- 住宅・店舗・オフィスで、誰のための空間かと重視する点が変わる
- 変更や締め切り、現場での判断など、地道な調整も大切な仕事
仕事の流れが見えてきたら、次は自分がどんな空間を手がけたいかを考えてみてください。気になる空間が決まると、学ぶことも職場選びもぐっと具体的になりますよ。





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