空間デザイナーとインテリアデザイナーの違い|扱う範囲と比べ方

空間デザイナーとインテリアデザイナーの違いを扱う範囲で比べる記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や資格の実施団体の公開情報を調べて独自に執筆しています。試験日程や受験資格、給付制度は変わることがあるため、最新の情報は各団体の公式サイトで確認してください。

空間デザイナーとインテリアデザイナー、どちらも「空間をつくる仕事」に聞こえて、違いがよく分からない。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、空間デザイナーは人が体験する場全体を、インテリアデザイナーは室内の内装と家具・照明を中心に扱う、と考えると分かりやすいです。ただ、重なる部分もかなりあります。

この記事を読むと、2つの仕事の違いと重なる所、求人票での見分け方が分かります。

目次

空間デザイナーとインテリアデザイナーは、何が違う?

先に結論

空間デザイナーは、店舗・展示・イベント・商業施設など「人が訪れて体験する場」全体を考える仕事です。インテリアデザイナーは、住宅やお店、オフィスなどの室内の内装と家具・照明を中心に考える仕事です。

『名前が違うだけで、同じ仕事じゃないの?』と思いますよね。実際、2つの仕事はかなり重なっています。

違いが出るのは、どこまでを「デザインする範囲」に含めるかです。空間デザイナーは、展示の見せ方や人の流れ、期間限定のイベント会場なども含めて考えることが多いです。

インテリアデザイナーは、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で「住宅・オフィス・ホテル・旅館・店舗などの室内空間のデザインを行う」と説明されています。家具や照明などの製品をデザインする人もいます。

例えば、新しい雑貨店をつくる場面では

同じ雑貨店の仕事でも、2つの立場で考え方の入り方が少し違います。

インテリアデザイナーなら、壁や床の素材、棚の造り、照明の配置など、室内の内装から形にしていくことが多いです。

空間デザイナーなら、お客さんが店に入ってから出るまでの体験を考え、商品の見せ方や季節ごとの売り場の変え方まで含めて考えることがあります。

もちろん、1人の人が両方の考え方で仕事をすることも珍しくありません。

仕事の進め方は、ほとんど同じ

扱う範囲は違っても、仕事の進め方は似ています。どちらも、おおよそ次の流れで進みます。

2つの仕事に共通する進め方
  1. 依頼主の話を聞き、どんな場にしたいかを確かめる
  2. 現地を見て、広さや人の動きを確かめる
  3. 図面やパースで案をまとめ、依頼主に見せる
  4. 素材や照明、家具などを決め、工事の図面を仕上げる
  5. 工事や設営の現場で、仕上がりを確かめる

展示やイベントの場合は、5番目が「設営」と「撤去」になることもあります。期間が終われば片付ける場をつくる、というのは空間デザインならではの面白さですよね。

インテリアデザイナーという職業の全体像は、インテリアデザイナーとは?で紹介しています。

扱う範囲を表で比べると?重なる所と違う所

重なる所が大きく、違いは「範囲の広さ」と「期間の長さ」

2つの仕事は、店舗の内装などで大きく重なります。違いが出やすいのは、展示やイベントのように期間が限られた場をつくるかどうかと、扱う範囲の広さです。

『どこが同じで、どこが違うのか一覧で見たい』という方のために、表にしました。

比べる点空間デザイナーインテリアデザイナー
主に考えること人が訪れて体験する場全体室内の内装と家具・照明
扱う場の例店舗・展示会・ショールーム・イベント会場・商業施設住宅・店舗・オフィス・ホテル・旅館
場が使われる期間長く使う場も、期間限定の場もある長く使う場が中心
大事にすること見せ方・人の流れ・訪れた人の印象使いやすさ・素材・心地よさ
製品のデザインあまり扱わないことが多い家具や照明などをデザインする人もいる

表はあくまで傾向です。会社によって呼び方も担当範囲も違うので、目安として見てください。

空間デザイナーとインテリアデザイナーの扱う範囲を、重なる所と違う所に分けて示した図解

『結局、どっちの名前で探せばいいの?』と思った方は、次の章の求人票の読み方もあわせて見てみてください。

重なる所は「店舗」と「商業施設」

2つの仕事が特に重なるのは、店舗や商業施設の内装です。お店の雰囲気をつくり、人の動きを考え、素材や照明を選ぶ点は同じです。

そのため、店舗の内装を手がける会社では、同じ人が空間デザイナーと呼ばれることも、インテリアデザイナーと呼ばれることもあります。

違いが出やすいのは「展示」と「住まい」

空間デザイナーらしさが出やすいのは、展示会のブースやイベント会場のように、限られた期間だけ使う場です。短い時間で、訪れた人に強い印象を残す工夫が求められます。

インテリアデザイナーらしさが出やすいのは、住宅のように長く暮らす場です。毎日の使いやすさや、年月がたっても飽きない素材選びが大事になります。

求人票で呼び方がゆれる時は、どう読む?

職種名ではなく「担当業務」と「扱う物件」を見る

求人票では、同じような仕事でも「空間デザイナー」「インテリアデザイナー」「内装設計」などと呼び方がばらばらです。職種名だけで判断しないことが大切です。

『求人を探していたら、どれも似たような仕事に見えて混乱した』という声はよく聞きます。呼び方は会社ごとの習慣で決まっていることが多いんです。

求人票を読む時は、次の点を確かめてみてください。

求人票で確かめたいこと
  • 担当する業務に「図面作成」「現場監理」「展示の企画」などのどれが書かれているか
  • 扱う物件が住宅・店舗・オフィス・展示・イベントのどれか
  • 使うソフト(CADや3Dソフト)の名前が書かれているか
  • 企画から関わるのか、図面の作成が中心なのか
  • 会社の業態が設計事務所・内装工事会社・ディスプレイ会社などのどれか

例えば、職種名が「空間デザイナー」でも、業務の欄に「住宅の内装設計」とあれば、仕事内容はインテリアデザイナーに近いと考えられます。

逆に、職種名が「インテリアデザイナー」でも、「展示会ブースの企画・設計」とあれば、空間デザイナーに近い仕事です。

求人票で呼び方がゆれる時に、担当業務・扱う物件・使うソフト・業態の順で仕事を読み取る手順の図解
よくある失敗

職種名だけを見て応募し、面接で「思っていた仕事と違った」と気づくケースがあります。気になる求人は、仕事の流れや1日の過ごし方を面接で聞いてみると安心です。

会社の業態から仕事を読む

呼び方より分かりやすいのが、会社の業態です。業態ごとに、扱う空間の傾向を表にしました。

会社の業態扱う空間の傾向どちらに近いか
設計事務所・デザイン事務所住宅・店舗・オフィスなど事務所ごとに違うどちらもある
内装工事会社店舗・オフィスの内装インテリアデザイナー寄り
ディスプレイ会社店舗の売り場・展示会・イベント空間デザイナー寄り
ハウスメーカー・リフォーム会社住宅インテリアデザイナー寄り

就職先の種類ごとの違いは、インテリアデザイナーの就職先でくわしく比べています。

インテリアデザイナードットコム

インテリアの学び方を比べたい方へ

インテリアデザイナーへの道は、専門学校・大学・社会人スクール・通信講座・独学とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校や講座の資料を取り寄せて、学べる範囲や課題の講評、就職の支え方を見比べるのが近道です。比べ方のチェックポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

教育訓練給付制度の対象講座かどうかは、各講座の案内と厚生労働省の検索システムで確認できます。

どちらを目指すか、どう考えればいい?

好きな場の「使われ方」で考えてみる

長く使われる場をじっくりつくりたいか、訪れた人をわくわくさせる場をつくりたいか。好きな場の使われ方で考えると、方向が見えてきます。

『どっちも楽しそうで、今は決められない』という方も多いですよね。今の段階で1つに決める必要はありません。

ただ、気になる場を書き出してみると、自分の好みが見えてきます。

こんな場が気になる近い方向
住宅やホテルのように、長く過ごす場所インテリアデザイナー寄り
カフェや雑貨店など、毎日人が訪れるお店どちらでも
展示会やショールーム、期間限定のイベント空間デザイナー寄り
家具や照明そのもののデザインインテリアデザイナー寄り

学ぶ内容も大きく重なっています。製図やCAD、色彩、素材、照明などの基礎は、どちらに進んでも役立ちます。

学生のうちに試せること

『自分がどちらに向いているか、確かめる方法はある?』と思いますよね。学生のうちでも、身近なところで試せることがあります。

方向を確かめるために試せること
  • お店に入った時、商品の並べ方と照明の当て方を観察してみる
  • 美術館や展示会で、人がどう歩いて見て回るかを観察してみる
  • 自分の部屋を測って、家具の配置を平面図に描いてみる
  • 気に入った空間の写真を集め、共通点を書き出してみる

展示の見せ方にわくわくするなら空間デザイン、部屋の心地よさが気になるならインテリアデザイン寄りかもしれません。どちらにもわくわくするなら、両方を学べる学科を探してみてください。

インテリアコーディネーターとの違いも気になる方は、インテリアデザイナーとインテリアコーディネーターの違いもあわせて読んでみてください。

資格について

空間デザイナーにもインテリアデザイナーにも、名乗るために必須の資格はありません。お店や商業施設に関わりたい方には、公益社団法人 商業施設技術団体連合会の「商業施設士」という資格もあります。

空間デザイナーとインテリアデザイナーについてよくある相談

相談で多いのは「どんな学校・資格を選ぶか」

2つの仕事についての相談では、進学先や役立つ資格を知りたいという内容が多く見られます。代表的な3つに答えます。

空間デザイナーかインテリアデザイナーを目指す高校生です。学校はどう探す?

空間デザイナーやインテリアデザイナーを目指していて、早めにオープンキャンパスに行きたいが、学校の情報がうまく集まらない、という相談です。

まずは、建築学科・デザイン系学科・インテリア学科など、学科の名前で探してみてください。学校名から探すより、学べる内容から絞る方が見つけやすいです。

学科の説明会では、こんなふうに聞いてみるのもおすすめです。

  • 「展示やイベントの空間をつくる授業はありますか?」
  • 「住宅と店舗、どちらの課題が多いですか?」

オープンキャンパスでは、学生の作品に展示やイベントの課題があるかを見てみましょう。住宅や店舗の課題が中心か、展示の課題もあるかで、学校の色が分かります。

一級建築士や二級建築士の資格は、役に立つ?必要?

インテリアデザイナーや空間デザイナーになるのに、建築士の資格は役立つのか、必要なのか、という相談です。

どちらの仕事も、名乗るために建築士の資格は要りません。室内のデザインそのものに免許は要らないからです。

ただ、間取りを変えるような大きな改修では、建築士と組んで進めることになります。建築まで自分で手がけたいなら、建築士を目指すのも1つの道です。

空間デザイナーとインテリアコーディネーター、将来どちらが求められる?

将来性で選びたい、という相談もあります。

どちらの仕事も、人が過ごす場がある限り必要とされる仕事です。ただ、どちらが有利かを数字で比べられる情報は、ここでは確かめられていません。

将来性より、「自分がどんな場をつくりたいか」で選ぶ方が、長く続けやすいはずです。

それに、学ぶ基礎は大きく重なっています。最初はどちらかに決めず、製図や色彩、照明などの共通の力を伸ばしておけば、あとから方向を変えることもできますよ。

よくある質問

空間デザイナーとインテリアデザイナーは、同じ仕事ですか?

店舗の内装などでは仕事が大きく重なります。空間デザイナーは展示やイベントを含む体験の場全体、インテリアデザイナーは室内の内装と家具・照明が中心、という違いがあります。

空間デザイナーになるのに資格は必要ですか?

必須の資格はありません。商業施設に関わりたい方には商業施設士、インテリア全般を学びたい方にはインテリアコーディネーターなどの資格があります。

空間デザイナーとインテリアデザイナーは、どちらも図面を描きますか?

どちらも図面やパースを描く場面があります。CADや3Dソフトで作ることが多いので、学校や講座で早めに触れておくと安心です。

学校では、空間デザインとインテリアデザインを両方学べますか?

学科によっては両方を学べます。製図やCAD、色彩、照明などの基礎は共通しているので、課題の内容を見て選んでみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 空間デザイナーは人が体験する場全体、インテリアデザイナーは室内の内装と家具・照明が中心
  • 店舗や商業施設の内装では、2つの仕事が大きく重なる
  • 展示やイベントは空間デザイナー寄り、住宅や家具はインテリアデザイナー寄り
  • 求人票は職種名ではなく、担当業務と扱う物件で読む
  • 学ぶ基礎は共通なので、好きな場の使われ方で方向を考える

まずは気になる場を3つ書き出して、どちらの方向に近いか確かめてみてください。そこから学校や仕事を探すと、ぐっと絞りやすくなりますよ。

インテリアデザイナードットコム

インテリアデザイナードットコム 編集部

インテリアデザイナーの仕事内容となり方、インテリアコーディネーターなど似た職業との違い、役立つ資格、専門学校や講座での学び方、就職先までを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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