インテリアデザイナーに役立つ資格|コーディネーター・プランナー・建築士

インテリアデザイナーに役立つインテリアコーディネーター・インテリアプランナー・建築士などの資格を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が厚生労働省・文部科学省などの公的機関や資格の実施団体の公開情報を調べて独自に執筆しています。試験日程や受験資格、給付制度は変わることがあるため、最新の情報は各団体の公式サイトで確認してください。

インテリアデザイナーを目指しているけれど、どの資格を取ればいいのか分からない。そもそも資格がないと仕事ができないのか、気になっている方も多いはずです。

結論から言うと、インテリアデザイナーに必須の資格はありません。ただ、インテリアコーディネーターやインテリアプランナー、建築士などの資格は、知識を示したり仕事の幅を広げたりする場面で役立ちます。

この記事を読むと、資格ごとの役割の違いと、自分の目指す働き方に合う資格の選び方が分かります。

目次

インテリアデザイナーに資格は必要?

先に結論

インテリアデザイナーを名乗るための国家資格はなく、就くために必須の免許もありません。資格は「なるための条件」ではなく、「知識の裏付け」や「できる仕事を広げる道具」として考えると選びやすくなります。

『資格がないと採用されないのでは?』と心配になりますよね。実は、インテリアの職場では、資格より図面や作品を見て判断されることが多いんです。

厚生労働省の職業情報サイトでも、インテリアデザイナーに就くための必須の資格は特にないとされています。現役デザイナーのアシスタントとして実務経験を積むことが大切だ、という説明もあります。

資格が効く場面、効きにくい場面

では、資格はどんな場面で役に立つのでしょうか。正直に整理してみました。

場面資格の効き方
未経験で応募する時知識を学んだことを示す材料になる。ただし作品の方が重視されやすい
住まいの相談を受ける職場お客さんに安心感を持ってもらいやすい
間取りの変更や大きな改修に関わる時建築士の資格があると、自分で設計できる範囲が広がる
店舗や商業施設の仕事専門分野の資格が、その分野に詳しいことの裏付けになる
デザインの腕前を見せる時資格だけでは伝わりにくい。図面やパース、作品集が中心

表を見ると、資格は「あると話が早い」場面が多いことが分かります。逆に、資格だけで仕事が決まる場面はあまりありません。

資格より先に見られるもの

では、採用の場面では何が見られるのでしょうか。多くの職場で見られやすいのは、次のようなものです。

  • これまでに描いた図面やパースをまとめた作品集
  • CADや3Dソフトをどこまで使えるか
  • 相手の希望を聞いて、案にまとめた経験
  • 素材や家具、照明についての基本的な知識

例えば、小さなカフェの内装案を図面とパースで1つ仕上げて見せると、「何ができる人か」が一目で伝わります。資格はその作品を支える知識の証明、と考えるとバランスが取りやすいですよ。

よくある失敗

資格の勉強だけに時間を使い、図面や作品づくりが手つかずになってしまうケースがあります。資格と作品は両輪と考えて、並行して進めましょう。

資格を3段に分けると選びやすい

「入口」「設計の幅」「専門分野」の3段で考える

インテリアに関係する資格はたくさんありますが、役割で分けると3つの段に整理できます。今の自分がどの段にいるかで、次に取る資格が見えてきます。

ここが大事なところです。資格の名前を並べただけでは、どれから手を付ければいいか分かりにくいんですよね。

そこで、この記事では資格を「入口で役立つ」「設計の幅を広げる」「専門分野を持つ」の3段に分けてみました。

段資格の例実施する団体どんな時に役立つか
入口で役立つインテリアコーディネーター公益社団法人インテリア産業協会インテリア全般の知識を示したい時
入口で役立つ色彩検定公益社団法人色彩検定協会(文部科学省後援)色の知識を基礎から固めたい時
入口で役立つCAD利用技術者試験などCAD系の資格一般社団法人コンピュータ教育振興協会などCADの操作ができることを示したい時
設計の幅を広げるインテリアプランナー公益財団法人 建築技術教育普及センター企画・設計・工事監理まで扱いたい時
設計の幅を広げる建築士(一級・二級・木造)公益財団法人 建築技術教育普及センター間取りの変更や建物の設計まで手がけたい時
専門分野を持つキッチンスペシャリスト公益社団法人インテリア産業協会キッチンの提案に強くなりたい時
専門分野を持つ商業施設士公益社団法人 商業施設技術団体連合会店舗や商業施設の仕事を深めたい時
インテリアデザイナーに役立つ資格を、入口で役立つ資格・設計の幅を広げる資格・専門分野を持つ資格の3段に分けた図解

入口で役立つ資格

インテリアコーディネーターは、インテリアの知識を幅広く問う資格です。家具や照明、カーテン、住宅設備まで扱うので、インテリアの全体像をつかむのに向いています。

色彩検定は、色の基礎から応用までを学べる検定です。配色に自信がない方が、考え方の土台を作るのに役立ちます。

CAD系の資格は、図面をパソコンで描く力を示す材料になります。CADは多くの職場で使う道具なので、資格の有無にかかわらず操作には慣れておきたいところです。

設計の幅を広げる資格

インテリアプランナーは、インテリアの企画・設計・工事監理まで扱う、設計寄りの資格です。インテリアコーディネーターより、図面を描いて空間をつくる側に近いイメージです。

建築士は国家資格で、建物の設計や工事監理に関わります。室内のデザインそのものに免許は要りませんが、間取りの変更や大きな改修を伴う時は、建築士と組むか、自分が建築士になるという関係になります。

専門分野を持つ資格

キッチンスペシャリストは、住まいと食生活、キッチンの空間や設備、施工、関連する法規などの知識を問う資格です。住宅のリフォームなどで、キッチンの提案に強みを持ちたい方に向いています。

商業施設士は、商業施設の企画・設計・施工・運営に関わる専門家の資格です。店舗の内装を中心に仕事をしたい方は、名前を覚えておくとよいですよ。

主な資格の中身を知っておこう

試験の形と受けられる条件を先に確かめる

同じインテリア系の資格でも、試験の形や、誰が受けられるかが違います。特に設計寄りの資格は、受験や登録に条件があるので早めに確かめておきましょう。

『名前は聞いたことがあるけど、どんな試験なの?』という方のために、主な3つの資格を紹介します。

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは、公益社団法人インテリア産業協会が認定する民間の資格です。快適な住空間のために、家具・照明・カーテン・住宅設備などの選び方や配置を考え、一般の人に提案・助言するプロとされています。

項目内容(2026年度の受験要項の要旨)
試験の回数年1回
一次試験学科。CBT方式(テストセンターのパソコンで解答を選ぶ形)
二次試験実技。プレゼンテーションと論文
受験資格一次は年齢・学歴・職業・経験を問わない。二次は過去3年以内に一次に合格した人
一次の免除一次だけ合格した人は、申請すると次の年度から3年間一次が免除される
登録二次合格後に登録すると称号と登録証が交付される。登録は5年ごとに更新

2026年度は、一次試験がマークシートからCBT方式に変わりました。日程や受け方の細かい点は、インテリア産業協会の公式サイトで確かめてみてください。

インテリアデザイナーとインテリアコーディネーターの仕事の違いは、インテリアデザイナーとインテリアコーディネーターの違いで詳しく比べています。

インテリアプランナー

インテリアプランナーは、公益財団法人 建築技術教育普及センターが実施する資格です。試験は「学科試験」と「設計製図試験」の2つに分かれています。

項目内容
学科試験受験資格の制限なし。合格すると「アソシエイト・インテリアプランナー」に登録できる
設計製図試験学科の合格者(その年度か前の4年度)、アソシエイト・インテリアプランナー、建築士が受けられる
登録の条件設計製図に合格し、さらにインテリアか建築の学歴、建築士免許、インテリアの実務経験2年以上のいずれかが必要

「インテリアデザイナーとプランナーは何が違うの?」と聞かれることがありますが、インテリアデザイナーは職業の呼び名、インテリアプランナーは資格の名前です。インテリアプランナーの資格を持つインテリアデザイナー、という関係になります。

建築士

建築士は、建築士法にもとづく国家資格で、一級・二級・木造の3種類があります。試験は建築技術教育普及センターが実施しています。

令和2年(2020年)の試験から、実務経験は「受験の条件」から「免許登録の条件」に変わりました。指定の科目を修めて大学や専門学校を卒業すれば一級、高校などで指定の科目を修めて卒業すれば二級の試験を、実務経験なしで受けられるようになっています。

補足

受験資格や日程は変わることがあります。最新の情報は、建築技術教育普及センターの公式サイトや各団体の公式サイトで確かめてみてください。

目指す働き方別、資格を取る順番の例

ゴールから逆算して、1つずつ取る

資格を一度にたくさん取る必要はありません。どんなインテリアデザイナーになりたいかを決めて、そこに近い順番で取っていくのが効率的です。

『結局、自分はどれから取ればいいの?』と迷いますよね。目指す働き方ごとに、取る順番の例をまとめました。

目指す働き方取る順番の例ポイント
住宅のインテリアを提案したい色彩検定、インテリアコーディネーター、キッチンスペシャリスト住まいの知識を幅広く固めてから、得意分野を足す
店舗やオフィスの内装を設計したいCAD系の資格、インテリアプランナー、商業施設士図面の力を固めてから、設計と商業施設の知識を深める
間取りの変更や建物まで手がけたい二級建築士、インテリアプランナー、一級建築士学歴の条件を確かめ、建築士を軸に考える
まず未経験から仕事に就きたいCAD系の資格、インテリアコーディネーター資格と並行して作品をそろえる
住宅の提案、店舗やオフィスの設計、建物まで手がける働き方ごとに、資格を取る順番の例を示した図解

学生のうちに取るなら

学生の方は、授業で学ぶ内容と重なる資格から取ると負担が少なくなります。例えば、色彩の授業があるなら色彩検定、CADの授業があるならCAD系の資格、という具合です。

インテリアコーディネーターの一次試験は、年齢や学歴を問わず受けられます。在学中に挑戦する人もいるので、学校の授業と合わせて考えてみてください。

社会人が取るなら

社会人の方は、仕事に直結する資格を優先するのがおすすめです。家具や住宅の会社で働いているならインテリアコーディネーター、内装の現場にいるならCAD系の資格やインテリアプランナー、というように選んでみましょう。

仕事の後に勉強する時間は限られていますよね。通勤時間にテキストを読む、週末にまとめて過去の問題を解く、というように、生活の中に勉強の時間を組み込むと続けやすくなります。

職場で資格の取得を応援する制度があるかも、一度確かめておくとよいですよ。

資格を選ぶ前のチェック
  • どんな空間(住宅・店舗・オフィス)の仕事をしたいか決めた
  • 資格を取ったら、どんな仕事に生かすかを言葉にできる
  • 受験の条件(学歴や合格歴)を公式サイトで確かめた
  • 試験の時期と、勉強に使える時間を照らし合わせた
  • 資格と並行して、図面や作品づくりも進める計画がある

資格についてよくある相談

一番多いのは「名前が似ていて違いが分からない」

インテリアの資格や職業は、名前が似ているものが多く、違いが分かりにくいという相談がたくさんあります。ここでは代表的な3つに答えます。

インテリアの仕事を目指す人からよく寄せられる相談を、要約して紹介します。

相談1「コーディネーター、デザイナー、プランナー、建築士の違いが分かりません」

とてもよくある相談です。ざっくり言うと、次のような違いがあります。

名前種類主な役割
インテリアデザイナー職業の呼び名室内空間や家具・照明などをデザインする
インテリアコーディネーター民間の資格(職業名としても使う)住まい手の希望に合う家具や素材を選び、提案・助言する
インテリアプランナー資格インテリアの企画・設計・工事監理まで扱う
建築士国家資格建物の設計・工事監理を行う

ポイントは、インテリアデザイナーだけが「資格の名前ではない」ことです。どの資格を持っていても、室内のデザインを仕事にしていればインテリアデザイナーと呼ばれます。

相談2「インテリアコーディネーターの資格やCADの勉強は必要ですか」

インテリアデザイナーを目指していて、何を勉強すればいいか迷っている、という相談です。

結論から言うと、資格は必須ではありませんが、CADの操作は多くの職場で使うので身につけておきたい力です。インテリアコーディネーターの資格は、住まいの提案をする職場で知識を示す材料になります。

『全部やらなきゃ』と焦らなくて大丈夫です。まずはCADと図面の基礎、次に資格、という順番でも十分です。

相談3「工業高校のインテリア科から、高卒で設計の会社に就職できますか」

インテリアを学べる工業高校から、そのまま空間設計の会社に入れるかという相談です。

インテリアデザイナーには必須の資格がないので、高卒で就職する道もあります。高校で指定の科目を修めて卒業すれば、二級建築士の試験を実務経験なしで受けられるようになった点も、知っておくと視野が広がります。

在学中の課題や作品をまとめておくと、就職の時に自分の力を伝えやすくなりますよ。

資格の勉強はどう進める?

独学と講座、自分に合う方法で続ける

資格の勉強は、テキストを使った独学でも、通信講座やスクールでも進められます。大切なのは、試験日から逆算して続けられる方法を選ぶことです。

『独学で受かるかな、講座を使った方がいいのかな』と迷う方は多いですよね。資格の勉強の進め方は、大きく次の3つです。

進め方よいところ気をつけたいところ
独学自分のペースで進められ、費用を抑えやすい実技や製図の添削を受けにくい
通信・オンライン講座教材と添削がそろい、時間の自由も高い一人で続ける工夫が要る
スクール先生に直接質問でき、ペースを作りやすい通う時間が要る

特に、インテリアコーディネーターの二次試験やインテリアプランナーの設計製図試験のように、プレゼンや製図がある試験は、添削を受けられるかが大きな差になります。

一定の条件を満たすと、厚生労働省の教育訓練給付制度で受講費用の一部が支給される講座もあります。対象かどうかは、講座の案内や厚生労働省の検索システムで確かめてみてください。

資格の勉強を始めるまでの流れ
  1. 取りたい資格を1つに決め、公式サイトで試験の時期と条件を確かめる
  2. 試験日から逆算して、週に使える勉強時間を決める
  3. 独学か講座かを決める。迷ったら講座の資料を取り寄せて比べる
  4. 実技や製図がある試験なら、添削を受けられる方法を選ぶ
  5. 勉強と並行して、図面や作品づくりも少しずつ進める

インテリアデザイナードットコム

インテリアの学び方を比べたい方へ

インテリアデザイナーへの道は、専門学校・大学・社会人スクール・通信講座・独学とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校や講座の資料を取り寄せて、学べる範囲や課題の講評、就職の支え方を見比べるのが近道です。比べ方のチェックポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

教育訓練給付制度の対象講座かどうかは、各講座の案内と厚生労働省の検索システムで確認できます。

独学・通信講座・スクールの詳しい比べ方はインテリアデザインの学び方を比べた記事で、講座の資料の見比べ方は学校・講座を資料請求で比べる方法で紹介しています。

資格以外の進路も含めて全体を知りたい方は、インテリアデザイナーになるには?4つの進路もあわせて読んでみてください。

よくある質問

インテリアデザイナーになるのに、資格は必須ですか?

必須ではありません。インテリアデザイナーには就くための資格や免許がなく、図面や作品で力を示すことが多い仕事です。資格は知識の裏付けや仕事の幅を広げるために役立ちます。

最初に取るなら、どの資格がおすすめですか?

目指す働き方によります。住まいの提案をしたいならインテリアコーディネーター、図面の力を示したいならCAD系の資格から始める人が多いです。

インテリアデザイナーとインテリアプランナーは何が違いますか?

インテリアデザイナーは職業の呼び名で、インテリアプランナーは建築技術教育普及センターが実施する資格の名前です。インテリアプランナーは企画・設計・工事監理まで扱う、設計寄りの資格です。

建築士の資格は、インテリアデザイナーにも役立ちますか?

役立ちます。室内のデザインそのものに免許は要りませんが、間取りの変更や大きな改修を伴う仕事では、建築士の資格があると自分で手がけられる範囲が広がります。

資格の試験日程はどこで確かめればいいですか?

各資格を実施する団体の公式サイトで確かめてみてください。試験の形や日程は年度によって変わることがあります。

まとめ

この記事の要点
  • インテリアデザイナーに必須の資格はない。資格は知識の裏付けと仕事の幅を広げる道具
  • 資格は「入口で役立つ」「設計の幅を広げる」「専門分野を持つ」の3段で考えると選びやすい
  • インテリアプランナーは設計寄りの資格、建築士は建物の設計まで扱う国家資格
  • 目指す働き方から逆算して、取る順番を決める
  • 勉強は独学・通信講座・スクールから、続けられる方法を選ぶ
インテリアデザイナードットコム

インテリアデザイナードットコム 編集部

インテリアデザイナーの仕事内容となり方、インテリアコーディネーターなど似た職業との違い、役立つ資格、専門学校や講座での学び方、就職先までを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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