インテリアデザイナーのポートフォリオ|就職・転職で見られる所と作り方

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インテリアデザイナーを目指して就職や転職の準備を始めたら、ポートフォリオを求められた。何をどう載せればいいのか分からない、という方も多いはずです。

結論から言うと、インテリアデザイナーのポートフォリオで見られるのは、完成図のきれいさより「どう考えてその案になったか」です。

この記事を読むと、見られる所と、1作品の見せ方の型が分かります。

目次

インテリアデザイナーのポートフォリオでは、どこが見られる?

先に結論

見られるのは「考え方の流れ」「図面とパースの正確さ」「自分が担当した範囲」の3つです。作品の数より、1作品ごとの中身が大事なんです。

『きれいなパースをたくさん並べれば評価されるはず』と思いますよね。

実は、採用する側が知りたいのは「この人と一緒に仕事ができるか」です。インテリアの仕事は、お客さんの話を聞いて、条件の中で案をまとめる仕事だからです。

見られる所どんなことを見ている?作品で伝える方法
考え方の流れ条件を読み取って案にできるか課題・条件・案の順にページを組む
図面の正確さ縮尺や寸法、記号のルールを守れているか平面図・展開図を省かずに載せる
パースや表現完成のイメージを相手に伝えられるか手描きでもCGでも、見る人の視点で描く
担当した範囲どこまで自分でやったかグループ作品は自分の担当を明記する
素材や色の選び方なぜその素材・色なのか説明できるか素材サンプルの写真と選んだ理由を添える

表の中で、特に忘れがちなのが「担当した範囲」です。チームで作った作品なのに説明が無いと、全部を自分でやったように見えてしまうことも。

例えばこんな場面で見られる

面接でポートフォリオを開いた時、「この照明の位置はどうして決めたんですか?」と聞かれることがあります。

ここで「夜に本を読む場所だったので、手元が明るくなるようにしました」と答えられると、考え方の流れが伝わりますよね。ポートフォリオは、こうした会話のきっかけになる資料でもあるんです。

図面の正確さは、細かい所に出る

『図面なんて、だいたい描けていれば大丈夫でしょ?』と思うかもしれません。ただ、図面は仕事でそのまま職人さんや施工会社に渡るものなので、細かい所までよく見られます。

例えば、ドアの開く向きが描かれていない、家具の寸法が実際より小さい、といった所は意外と目に付くんです。

よく見られる所気をつけたいこと
縮尺と方位図面ごとに縮尺と方位を書き込む
寸法部屋の大きさと、主な家具の寸法を入れる
建具ドアや引き戸の開く向きを描く
線の使い分け壁・家具・見えない線の太さや種類をそろえる
図面どうしのつながり平面図と展開図で、窓や家具の位置が合っている

提出する前に、平面図と展開図を並べて、同じ窓や棚の位置がずれていないか見比べてみてください。

1作品はどんな順番で見せればいい?

「課題・条件・案・図面・完成イメージ」の順で並べる

1作品を見せる時は、読む人が迷わない順番にするのがコツです。いきなり完成パースから見せるより、何を頼まれて、どう考えたかが先にある方が伝わります。

『1作品に何ページ使えばいいの?』と迷う方もいますよね。ページ数よりも、次の順番がそろっているかを確かめてみてください。

1作品の見せ方のテンプレ
  1. 課題:何を頼まれたか(例:小さなカフェの内装)
  2. 条件:広さ、使う人、予算の考え方、残したいものなど
  3. 案:コンセプトと、条件にどう応えたか
  4. 図面:平面図・展開図・天井伏図など
  5. 完成イメージ:パース、模型の写真、素材や色の組み合わせ
ポートフォリオの1作品を、課題・条件・案・図面・完成イメージの順で並べる流れを示した図解

各ページに書くことの例

例えば、ワンルームの模様替えを課題にした作品なら、こんなふうにまとめられます。

ページ書くことの例
課題在宅で仕事をする人のワンルームを、くつろげる部屋にしたい
条件机とベッドを両方置く。窓は1つ。収納が少ない
案仕事とくつろぎの場所を家具の向きで分ける
図面家具の配置と、通路の幅が分かる平面図
完成イメージ夜の照明の様子が分かるパース、選んだ床材と布の写真

こうして並べると、1つの作品の中に「話を聞く」「考える」「描く」が全部入っているのが伝わります。

コンセプトは一言で言えるようにする

「案」のページでは、コンセプトを一言で言えるかどうかが大事です。長い説明より、短い言葉の方が見る人の頭に残ります。

例えば「仕事の机から、ベッドが見えない部屋」のように書くと、どんな工夫をしたのかが一瞬で伝わりますよね。そのあとに、家具の向きや仕切り方の説明を続けるとまとまりが出ます。

補足

文章は長くしすぎないのがコツです。1ページに見出しと2〜3行の説明があれば十分。詳しい話は面接で口で伝えましょう。

作品が少ない時は、どう補えばいい?

足りない時は「新しく作る」か「途中も見せる」

作品が少ないと焦りますよね。でも、数を増やすより、手元の作品の考え方を丁寧に見せる方が評価につながることも多いんです。

作品の補い方は、今の立場によって変わります。自分に近い列を見てみてください。

今の立場補い方の例気をつけたいこと
学生授業の課題に、自分で条件を足して作り直す先生の講評を受けて直した所を見せる
社会人(未経験)自分の部屋や知人の店を題材に自主制作する実在の店なら、名前を出してよいか確認する
関連職からの転職今の仕事で関わった内装や売り場の経験をまとめる自分が担当した範囲をはっきり書く

例えば、販売や施工の仕事をしていた人なら、売り場のレイアウトを変えた経験や、現場で図面を読んだ経験も立派な材料になります。

学生・社会人・関連職からの転職それぞれで、ポートフォリオの作品が少ない時の補い方を示した図解

自主制作のテーマの選び方

『課題が無いと、何を作ればいいか分からない』という方は、身近な空間から選ぶのがおすすめです。

  • 自分の部屋を、在宅で働く人の部屋として作り直す
  • よく行く小さなカフェを、別のコンセプトで考え直す
  • 実家のリビングを、家族が集まりやすい形に変える
  • 小さな事務所の受付を、来た人が迷わない形にする

身近な空間なら寸法を測れるので、図面の正確さもアピールしやすいですよ。

途中の段階も見せていい

完成した作品が少ない時は、スケッチや検討した別の案を載せるのも1つの方法です。考えた跡が見えると、考え方の流れが伝わりやすくなります。

未経験から目指す流れは、未経験からインテリアデザイナーになる方法も合わせて読んでみてください。

作品を見てもらえる場所を作る

自主制作で困りやすいのが、作った作品を見てもらう相手がいないことです。『これで合っているのか分からない』と手が止まってしまうことも。

そんな時は、講評を受けられる講座やスクールを短期間だけ使う方法もあります。作品を見てもらいながら作れる学び方は、インテリアデザインの学び方で比べています。

インテリアデザイナードットコム

インテリアの学び方を比べたい方へ

インテリアデザイナーへの道は、専門学校・大学・社会人スクール・通信講座・独学とさまざまです。自分に合う学び方を選ぶには、気になる学校や講座の資料を取り寄せて、学べる範囲や課題の講評、就職の支え方を見比べるのが近道です。比べ方のチェックポイントをまとめました。

無料学校・講座の資料請求と比べ方を見る

教育訓練給付制度の対象講座かどうかは、各講座の案内と厚生労働省の検索システムで確認できます。

ポートフォリオを作る前に確かめたいこと

作り始める前に、見せる相手を決める

同じ作品でも、応募先によって並べ方は変わります。どんな会社に見せるのかを先に決めると、載せる作品を選びやすくなります。

就職先には、設計事務所、内装工事会社、ハウスメーカー、家具メーカーなどいろいろな業態があります。住宅が中心の会社に、店舗の作品ばかり見せても伝わりにくいですよね。

応募先によって、最初に置く作品を変える

同じポートフォリオでも、最初の数ページで印象が決まります。応募先が扱う空間に近い作品を、前の方に置いてみてください。

応募先の業態最初に置くと伝わりやすい作品添えたい説明
設計事務所・デザイン事務所図面とパースがそろった作品条件をどう読み取って案にしたか
内装工事会社・ディスプレイ会社店舗や売り場の作品施工や素材を意識した点
ハウスメーカー・マンション関連住宅の間取りや内装の作品住む人の暮らし方への配慮
家具メーカー・インテリアショップ家具の選び方や配置を考えた作品素材・色・寸法を選んだ理由

就職先ごとの違いは、インテリアデザイナーの就職先で詳しく紹介しています。

表紙とプロフィールのページも大事

作品のページばかりに気を取られて、表紙やプロフィールが後回しになることはよくあります。

プロフィールのページには、学んだことや使えるソフト、興味のある空間を短くまとめておきましょう。例えば「住宅と小さな店舗の内装に興味があります」と書いてあるだけで、面接の会話が始めやすくなりますよ。

目次を付けておくと、見る人が気になる作品にすぐたどり着けます。作品が3つ以上あるなら、1ページ目の次に置いてみてください。

提出する前のチェック
  • 1作品ごとに、課題・条件・案・図面・完成イメージがそろっているか
  • 図面に縮尺と方位が書いてあるか
  • グループ作品は、自分の担当範囲を書いたか
  • 応募先が扱う空間に近い作品を、最初の方に置いたか
  • 文字が小さすぎず、データでも紙でも読めるか
よくある失敗

ソフトの操作ができることを見せたくて、同じような3Dパースばかり並べてしまうケースがあります。ソフトの技術は大事ですが、図面と考え方が無いと、何を考えた人なのかが伝わりません。

CADや3Dソフトの役割は、インテリアデザイナーが使うCADと3Dソフトで紹介しています。

ポートフォリオについてよくある相談

悩みの多くは「何を載せればいいか」

ポートフォリオの相談で多いのは、作品の選び方と、ソフトの使い方の見せ方です。代表的な3つに答えます。

スクールを修了したが、ポートフォリオに何を入れればいいか分からない

社会人向けのデザインスクールに通い終わって、これからポートフォリオを作るけれど、何を入れればいいか迷っている、という相談です。

まずはスクールで作った課題を全部並べて、応募先に近いものから順に選んでみてください。足りない部分は、講評でもらったコメントをもとに作り直すと、成長の跡も見せられます。

建築やデザインを学んだことが無い大学生でも間に合う?

大学3年生で急にインテリアデザイナーになりたくなったけれど、これまで建築やデザインを学んだことが無い、という相談です。

『今からじゃ遅いかも』と感じるかもしれません。ただ、インテリアデザイナーになるために必須の資格はなく、学び方や進み方はいくつもあります。

まずは自分の部屋を題材に、図面とパースを1作品作ってみるのがおすすめです。進路の全体像はインテリアデザイナーになるには?で紹介しています。

Illustrator・Photoshop・CADを使えることは載せるべき?

画像編集やCADのソフトが使えることを、どうポートフォリオに入れればいいか、という相談です。

ソフトの名前を並べるだけより、そのソフトで作った図面やプレゼンボードを載せる方が伝わります。作品の横に「図面はCAD、仕上げは画像編集ソフトで作成」と添えておけば十分ですよ。

よくある質問

インテリアデザイナーのポートフォリオには、何作品くらい入れればいいですか?

決まった数はありません。数より1作品ごとの中身が大事なので、応募先に合う作品を選び、課題から完成までの流れが分かるようにまとめてみてください。

手描きの図面やパースを載せてもいいですか?

載せて大丈夫です。手描きでも、縮尺や寸法が正確で、考え方が伝われば評価の材料になります。

データと紙のどちらで用意すればいいですか?

応募先の指定に合わせます。指定が無い時は、データで送れる形と、面接で見せられる紙の形の両方を用意しておくと安心です。

実務経験が無くてもポートフォリオは作れますか?

作れます。授業の課題や自主制作で、課題・条件・案・図面・完成イメージがそろっていれば、考え方を伝えられます。

まとめ

この記事の要点
  • ポートフォリオで見られるのは、考え方の流れ・図面の正確さ・担当した範囲
  • 1作品は、課題・条件・案・図面・完成イメージの順で見せる
  • 作品が少ない時は、身近な空間での自主制作や、途中の段階を見せて補う
  • 応募先が扱う空間に合わせて、作品の並べ方を変える

ポートフォリオは、一度作って終わりではありません。応募先ごとに並べ替えながら、少しずつ育てていきましょう。

まずは手元の作品を1つ選んで、テンプレの5つの順番に並べ直すところから始めてみてください。

インテリアデザイナードットコム

インテリアデザイナードットコム 編集部

インテリアデザイナーの仕事内容となり方、インテリアコーディネーターなど似た職業との違い、役立つ資格、専門学校や講座での学び方、就職先までを、これから目指す人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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