スタッフの動きやすい店舗デザイン
動線を知る
店舗のデザインを設定するには、お客様の心地よさだけでなくそこで働くスタッフの動き、つまり動線を把握したデザインをしないといけません。スタッフが働きやすくなるには、業務内容を理解した店舗デザインが必要です。
その店舗の扱う業務や、採用されるスタッフ、さらにはどの業務を扱うスタッフがどのフロアにいるかなども考慮して動線を計算します。スタッフがテキパキと働く店舗は、お客様の目線から見ても好ましいものです。
しかし動きづらい店舗のデザインのせいで、スタッフの動きがぎこちなかったりバタバタと騒がしかったりしてしまうこともあります。
そのため、できるだけ無駄がなく、余裕を持った店舗デザインを設計することで、スタッフが働きやすく滞在するお客様の目にも好ましい店舗のデザインを作り上げることが可能になります。
サービス動線は短く
スタッフの通る動線は「サービス動線」と呼ばれます。これに対し、お客様が通る動線は「客動線」と呼ばれます。店舗デザインを設計する上で、客動線は長めにとるのが通常です。
それによってお客様の滞在時間を延ばすことが可能になり、より多くの商品を見てもらうことができます。そしてスタッフ動線は可能な限り短く設定します。
広さや間取り、家具配置にもよるため、常に理想の動線を設計することは難しいのですが、スタッフ動線を短くすることでより効率的で無駄のない作業を促進することができます。
無駄な動線はスタッフの集中力を削ぐだけでなく、従業員同士がぶつかったり物が壊れたりする危険性を上げてしまうのに対し、効率的な動線は事故や接触などの危険性を減らし、無駄な動きがないことでスタッフの集中力を向上させ、サービスの質を上げることにもつながります。
業務内容を把握することが重要
特にスタッフが出入りする入口出口は余裕を持たせ、お客様が出入りするトイレなどの動線とかぶらないようにすることが必要です。動線がかぶってしまうと動きづらくなり、必要以上に混雑した印象を与えてしまいます。
スタッフの動線とあまりにも重なるような店舗の設計は、お客様が通る際に何度もスタッフが立ち止まらなかったらならなかったり、前述のように最悪の場合は接触したりするなどのトラブルが発生する原因になります。
完璧な動線を設計するのは難しい作業ですが、業務内容をしっかり把握し、最も集中力を要する作業や最も頻繁に通る場所、展示するものや運ぶ物を置く位置を把握してデザインすることで、効率的な動線を設計することを容易にします。
職種や業務によっても考え方が異なるため、依頼主とのコミュニケーションにより依頼内容をしっかり把握することが重要です。